テレビ中継が増えた影響で広く知られるようになった、メジャーリーグの「Unwritten Rule(暗黙のルール)」。これは日本プロ野球にも存在しますが、アメリカとは異なるルールが存在します。
プロ野球の掟 / ルールブックに明記されていない規則
メジャーリーグでは、報復の対象となる「Unwritten Rule(暗黙のルール)」。
簡単に言えば、ルールブックに明記されていない「業界の掟」です。
アメリカでの「暗黙のルール」
「大量リードの時にバント・盗塁はするな」
「ホールランを打っても走塁中に派手に喜ぶな」
など、アメリカでは、相手チームに敬意を払う目的が多いようです。相手チームが悔しい想いをしている状態で、「敵に恥をかかせるな」ということでしょう。
日本での「暗黙のルール」
片や日本では、試合中のプレー内容よりも、「礼儀・挨拶」に重きが置かれています。
これは学生スポーツ界の、指導者・上級生への「礼儀・挨拶」が、プロ野球界でも引き継がれている事が要因でしょう。
「一礼してグランドへ入る」
「相手チームの年上選手に一礼する」
「学校の先輩選手の元へ挨拶に伺う」
など、プロ野球観戦に行くと、グラウンドでよく見かけるシーンですよね。
これが欠けると、野球界では孤立してしまい、ドレードの移籍先もなく、引退後に野球界に残ることも困難になります。
デットボール(死球)で投手が謝罪する
死球与えた投手が、帽子を取って謝罪する。これも日本特有の「Unwritten Rule(暗黙のルール)」です。
投手は打者に迷惑をかけた。よって「謝罪の意」を表さなければならない、ということです。「礼儀」を重んじた流れでしょう。
「ピッチャーライナーを打った打者は、投手に謝罪しない
死球を投げた投手は、謝罪の必要がある」
個人的には矛盾を感じるのだが。
新人投手が投じた、頭部死球
自軍の投手コーチに付き添われ、相手監督にお詫びへ向かう、新人・斎藤友貴哉投手(阪神)。
前日の試合で、広島カープの有望株・中村奨成選手に頭部死球を投じ、救急搬送させてしまった事への謝罪です。
同じチームとの対戦を繰り返す日本プロ野球事情からすると、
お互い因縁を引きずったり、後の死球が報復だと誤解を招かぬよう、礼を尽くして一度清算しておくことは必要だと思われます。
死球を与えた時に、帽子を取って謝罪するのは、これが理由なのでしょう。
「乱闘を未然に防ぐ」「因縁を引きずらない」為の最良の方法と解釈しております。
水本勝己監督(広島)から、「気にするな!」の言葉かけが聞こえてきそうな、清々しい一コマ。
写真は2019年6月19日に、鳴尾浜球場で撮影しました。