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マイナーリーガーとの長期契約を検証する

メジャーリーグ・デビュー前の早期囲い込み

 

 

Evan White(Mariners)

 

メジャーリーグ未昇格で最高位は2A(3軍)のエバン・ホワイト選手。1巡目指名(全体17位指名)で入団した一塁手です。


日本のネットニュースでは「17巡目指名」と誤記された記事が流布されていますが、1巡目指名(全体17位指名)の間違いで、メディアがネットサーフィンを情報源にしている証と思えます。


写真は2018年10月18日に撮影しました。

 

メジャー経験がないにも関わらず、6年2400万ドル(約26億円)で長期契約の報道がされています。2026-28年の3年間のオプション付き。


大学時代も含めて数試合観戦経験があり、そこまでの大物には見えなかったが、我々素人の目利きなんて所詮その程度でしょう。


写真は2016年7月17日に、静岡草薙球場で撮影しました。

 

メジャー経験がないマイナーリーガーと長期契約を締結して、低予算で戦力の保持ができるメリットがありますが、あくまで目論見通りに活躍すればの話です。

それでは過去の前例を検証してみましょう。今までに3名の選手が存在しています。


Scott Kingery(Phillies)

 

2018年3月に6年2400万ドル(約26億円)で長期契約を締結。
2024-26年の3年間のオプション付き。契約を満了できれば、総額6500万ドル(約70億円)。


2017年までマイナーリーグで、二塁手としてプレイしています。メジャー昇格後は内外野を兼務する、ユーティリティープレーヤー。

 

前年(2017年)の成績は、

2A&3Aの2階級で通算:132試合・打率.304、26本塁打、29盗塁、出塁率.359、OPS.889

メジャーリーグ(2年間): 273試合・打率.242、27本塁打、25盗塁、出塁率.291、OPS.698、WAR 2.6

 

2017年末の時点で、「強打の二塁手」との評価での契約だったのでしょう。

費用対効果はとしては、現時点「可もなく不可もなく」といったところでしょうか。

写真は2016年10月22日に撮影しました。


Eloy Jimenez(White Sox)

 

2019年3月に、契約ボーナス込みの6年4300万ドル(約46億円)で長期契約を締結。
2025-26年の2年間のオプション付き。契約を満了できれば、総額7500万ドル(約81億円)。

 

前年(2018年)の成績は、

2A&3Aの2階級で通算:108試合・打率.337、22本塁打、出塁率.384、OPS.961

メジャーリーグでの成績: 122試合・打率.267、31本塁打、出塁率.315、OPS.828、WAR 1.9

 

 新人選手としては合格の成績ですが、年700万ドル超の費用対効果としては、更なる成績上昇を願いたいものです。長打力以外の貢献度は高いとは言えません。

写真は2016年10月19日に撮影しました。

 

Jonathan Singleton(Astros)

 

2014年に5年1000万ドル(約11億円)で長期契約を締結。メジャー未経験選手が長期契約した、最初のマイナーリーグ選手。当時は不当に安い契約だとして、選手会から避難されたが・・。

 

契約前年の2013年、薬物検査でマリファナの陽性と判定され、50試合の出場停止を受けたにも関わらず、Astrosが長期契約に踏み切った期待の星でした。
残念ながら2018年にもマリファナ陽性で、100試合出場停止処分を下され、以後はマイナーリーグですらプレーしていません。

 

メジャーリーグ通算成績(2年間):114試合・打率.171、14本塁打、出塁率.290、OPS.621、WAR -0.9

 

長期契約は失敗に終わりましたが、1000万ドルなら諦めがつく程度の出費なんでしょうか。

 

まだ28歳で、四球率26%超の高い選球眼を誇り、本塁打も期待できる選手なので日本向きだと思いますが、経歴を顧みると実現性はないでしょう。

写真は2012年10月18日に撮影しました。

 

長期契約した最初のマイナーリーグ選手は大失敗に終わりましたが、2018年からマイナーリーガーとの長期契約は復活傾向にあり、以後はメジャーリーグの潮流になりそうな気配があります。

アマチュア・海外選手の契約金を抑えて、中堅FA選手へお金の流れを変えるのが目的であったプール制度。契約金を抑えた資金は、一部のエリート・マイナー選手に流れてゆくこととなるのか。


因みに、メジャーリーグ未経験で長期契約を結んだ4名には、全員がアリゾナ秋季リーグ卒業生という共通点があることは、日本では報道されそうにない。

 

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