「ドラフト会議」や「高校野球」など、野球界の日程変更が必要となる「秋入学」(9月入学式)。
大方の予想通り、欧米と同じく国際基準に合わせ、「秋入学」の実施を文部科学省が検討。休校が長期化した場合の選択肢の一つとする旨を、文科相が記者会見で述べています。コロナ自粛により、通学ができない現状の解決策にもなる筈です。
既に以前から、東京大学の「秋入学」全面導入の方針が、メディアに報じらているのは、皆さんもご存知の事でしょう
野球界の日程変更は不可欠 / ドラフト会議・甲子園大会・大学野球・社会人野球・独立リーグを検証する
残暑の「入学式」に、蝉が啼く「卒業式」。野球界も日程変更を余儀なくされる筈です。
「入学式」や「卒業式」が桜景色の元で行われるのは、過去のものになるかも知れません。しかし明治時代には欧米の教育制度を習い「秋入学」が一般的で、国家予算の年度会計に合わせることを目的に「春入学」に変更されたようです。
夏の「入学式」や「卒業式」を歌にしても、ヒットしそうにないと思うのは私だけでしょうか。ちょっと風情に欠けますね。
プロ野球の日程変更
レギュラーシーズンに与える影響はなく、試合日程の変更があるとは思えませんが、新人選手に関してはフォーマット変更が避けられそうにありません。
現在
8月 甲子園全国大会
10月 ドラフト会議
12月 新人選手入団発表
1月 入寮・新人合同自主トレ
2月 キャンプ参加・卒業式
3月 公式戦
変更後の予想
3月 甲子園全国大会
5月 ドラフト会議
6月 新人選手入団発表
7月 入寮・公式戦
「7月卒業」を想定するとチームへの合流は6月以降となり、自主トレ・キャンプと段階を踏みながら徐々に慣れてゆく流れはなくなりそうです。
全国大会からの空白期間も短縮され、プロ入りして即実践となる選手もいることでしょう。逆に予選敗退選手は空白期間があまりにも大きく、ドラフト会議を「1月開催」にする案も浮上しそうですが、全国大会前のドラフトは高野連の理解が必要でしょう。
「1966年方式」のように、ドラフト対象となる高校生を、分離する案も考えられます。
「1966年方式」は以下を参照してください。
5月末のドラフト開催は「春の大学リーグ戦」と重なりますが、これは「秋の大学リーグ戦」と重なる現行ドラフトも同様なので、問題なしと考えます。
「高校生」と「大学・社会人」の分離ドラフト案が浮上するかも知れませんね。
高校・大学卒の新人選手からすると、今までと比較して、慌ただしいルーキーイヤーとなるのは、間違いなさそうです。
高校野球の日程変更
春の「選抜大会」と夏の「全国大会」を入れ替える必要ありと考えます。
「夏の全国大会」開催継続は、進学・入社直前となり、予選が受験と重なるなど、選手や受け入れ先(企業・大学)にとって障害大きいものです。「春の大会」を3年生最後の場にすれば、受験勉強に専念する時間もできます。
全国大会が3月になると、3年生にとっては、予選敗退なら「最後の冬」、全国大会進出なら「最後の春」となります。
「最後の夏」の形容は過去のものに
現在
3月 選抜大会(甲子園)
4月 入学式
4-5月 地区大会
6-7月 全国大会・地方予選
8月 全国大会(甲子園)
9-10月 地区大会
11月 明治神宮野球大会
変更後の予想
3月 全国大会(甲子園)
5-6月 地区大会
7月 明治神宮野球大会
8月 選抜大会(甲子園)
9月 入学式
9月 地区大会
10-11月 全国大会・地方予選
炎天下での「灼熱・甲子園大会」は、選抜大会になることで参加校が減少(49校→32校)、日程の緩和が可能な状況となるかもしれません。
大学野球・社会人野球の日程変更
大学野球では、6月の全国大会と11月の明治神宮野球大会が入れ替わる程度で、大きな変更なく実施できるでしょう。
社会人野球は、高校野球や大学野球の日程変更に伴い、開催球場の都合で多少の変更があるかも知れません。
日程の変更よりも、高校・大学生の入社する時期が替わり、育成・実践デビューのプロセスに試行錯誤しそうです。
独立リーグの日程変更
ドラフト指名から漏れた大学生も参加することから、前期・後期の時期を変えるかも知れません。前期を7-10月、後期を2-5月と変更すれば、ドラフト前にシーズン終了となります。
結論
アマチュア野球界はフォーマット変更を余儀なくされ、プロ野球はドラフト会議以外の変更は必要なしと予想します。
実施直後は戸惑いもあるでしょうが、数年で慣れることでしょう。
「秋入学」に舵を切ってみたものの、コロナ自粛の目途立たず、やっぱり「春入学」なんてこともありそうですね。